『哀愁の町に霧が降るのだ 椎名 誠』は凄まじいエネルギーを持つ本

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「晴耕雨読その他いろいろ」2015/12/31投稿記事の修正転載です

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哀愁の町に霧が降るのだ 椎名誠(2015/12/31)

もし、今まで読んだ本の中で一番面白かった本は?と問われれば困ってしまう。それはこの本が上下巻だからだ。そして最も影響を受けた本は?憧れた本は?と問われても同じだ。

最近日曜大工ばかりの内容だが大晦日くらいは本でも、と思っていたのに図書館が閉まっていて本が借りられない。そこで家にある数少ない僕の本を引っ張り出してきた。中でもこの本はお気に入りであり高校の頃から何度読んだかわからない、とは言っても2日くらいで読み終わるのだが。

僕はもともとたくさん本を読む子供ではなかったから、高校入学前に父がこの本を勧めてくれるまであまり多くは読んでいなかった。それまではムーミンとかホームズとかそんな感じ。

なので本に詳しいうえで受けた衝撃ではないのだが、明らかに僕が漠然と抱いてた小説に対するイメージを粉々に打ち砕く、凄まじいエネルギーを持つ本だった。というかまずジャンルが不明。基本私小説なのだが話があっちこっち跳びまくるのだ。

今でいうとブログ上で小説を書いているような感じで私小説に私生活が混ざる。ちなみに上巻は北京で終わる。なんじゃそりゃ。

今回読み返して改めて驚いたのは椎名誠の凄さだ。編集には無縁、というかある意味真逆な生活を過ごしておきながらアルバイト気分で始めた編集の仕事で24歳で編集長、27歳で取締役である。

さらにその後雑誌を立ち上げ作家になり、秘境ともいえるような場所にほいほい出かけていく。この本を書いた時点で37歳らしいので僕よりも1歳若い。僕のこれまでの半生でここまでのエネルギーを持って活動できたことがあるかというと全く及ばず、成し遂げたこともあまりにも少ない。

高校の時に竜馬がゆくを読み剣術修行のため江戸に出たのが17歳と知り驚いたが、あれから20年以上たっても同じようなことに衝撃を受け何とも進歩がない人間である。おそらく椎名誠が人間的に面白く、活力と好奇心、負けず嫌いに溢れていた結果だろう。

等と色々書いたが基本的に馬鹿馬鹿しい話である。この本を読んで椎名誠は凄い!とは普通ならない。ただただ軽薄な文章に笑い、共同生活の面白さに憧れ、たまにある感動話にいいな、と思う、そんな本だ。

特に共同生活の貧乏テクニック、コロッケ丼の話など大学時代の一人暮らしには大変役にたった。嫌いな人はおそらく大嫌い、途中で放り投げる本だろう。しかし変な本が大好きなたまらなく面白い本である。

----- 以下2016年1月1日追記 -----

この本に納豆の話が出てくる。また全然関係ない話が始まったなぁ、と楽しく読んでいると後でしっかりそれが枕になって次のエピソードが始まる。少々長い枕だが面白いので苦にならず、あ、思ったより計算高い、と感心してしまう。

椎名誠自身もテクニックが必要と書いているが、実際かなりまぜこぜ具合が高度で考えられている。本の感想もこの納豆の話と同じである。

あぁ、面白かったと思っても、何だこれはと思っても、読み終わった直後は興奮(この本風に言うとコーフン)してしまっているのでなかなか言葉にならない。良い本はその後ふとした時、例えば通勤時間とか風呂に入っている時とかに気にかかり、色々考えてしまう。

で、昨日入浴中に考えたのだが、何か成果を上げた人間は最先端を行っている。なんだそりゃ当たり前じゃないか、という感じだがそうなのだ。最先端の分野の場合もあれば、古い分野の最先端の場合もあるがともかく最先端。

どちらであっても大成するのは難しいが古い分野の最先端の方が敷居が高い気がする。

分野が古ければ人口も多く、自分が生まれる前から携わっている人がいたり、両親が熱心で小さいころからやってますとかいう人がいたりである日突然思い立って飛び込んでもどうにもならないことが多いのではないだろうか。仕事でも勉強でもスポーツでも同じである。

その点新しい分野であれば皆スタートラインは同じである。誰もが手探りの状態であり、昨日書いたような活力と好奇心、負けず嫌い、という椎名誠が持っていた特性が重要になるのではないだろうか。

出版の世界は古い分野であるが、まず椎名誠が成功した業界紙の、それも当時起こっていた百貨店とスーパーの争いを扱うという分野は最先端である。

次に成功した書評誌に関しても、まあ昔からあったと言えばあったのだろうが、本の雑誌のように砕けた感じなのはやはり最先端だったのだろう。

そして作家としてはこの本に代表されるようなユニークな存在や武装島田倉庫のような奇妙な世界観は明らかに最先端である。

もちろんハズレの最先端もある。これが次に来る!と言って一過性の流行だった、というのはよくあることだ。なのでそれを見抜くことは非常に重要であり、運も必要なのだろう。

おそらく椎名誠の後ろには椎名誠と同じくらい活力に溢れ、好奇心に満ち、負けず嫌いであったが、最初の一歩を踏み間違えた椎名誠がたくさんいたに違いない。

その時にハズレを引かないことは重要だが、それでも好きなことなら悔いはないだろう。なので好きな事をやりたいようにやる、というのも大切な要素であるに違いない。

じゃあ、僕が今いる分野は最先端か?というとどうも違う気がする。最近僕がハマっているのはこのブログであるが、しかしブログは何年も前に流行っており古い分野といってよいのではないだろうか。

Youtubeだったりtwitterだったりインスタグラムだったり、ブログより新しい分野はたくさんある。大成するには最初の第一歩を間違えているのかもしれない。

Youtubeで大成した人はYoutuberだが、twitterやインスタグラムにもそういう人がいるのだろうか。それともこれらは複雑に関係しあってなかなか切り離せない物なのだろうか。そもそも僕が考える大成とは金儲けだろうか、多くの人に面白がってもらう事だろうか。

結局何が言いたいのかというと自分でもよくわからないが、しかし新しく何かを始めたり、色々考えたり、それは確実に良い事だろうし今のところブログを楽しいと思っている。なので間違いでも何でも今はとりあえず構わず、飽きるまでブログを続けようと思う。

と、まあ何回目かわからないくらい読んでいるのにこんなに色々と考える機会を与えてくれるこの本はやはり僕にとって良い本のようだ。

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