『C級フルーツパフェ 吉川 トリコ』は当たり前話が並ぶ当たり前本

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「晴耕雨読その他いろいろ」2015/12/27投稿記事の修正転載です

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C級フルーツパフェ 吉川トリコ(2015/12/27)

著者は吉川トリコ。当たり前の話が並ぶ。

最初から女子高生と先生のベッドシーンで嫌な予感がした。このままやたら設定だけショッキングなその割に中身のあまりない話がだらだら続き、ところどころに官能小説的なシーンが挟まれるのでは、そんな危惧を抱いた。しかしそれは運が良いことに杞憂だった。

おお、これは凄い!と唸るほどではないが面白い本だ。世の中には色々な当たり前が存在するが、その当たり前を当たり前と認めたくない人、当たり前を受け入れる人、当たり前に抵抗する人がいろんな立場の人物として登場する。

まずその設定が良い。誰だって当たり前に疑問を持ったことはあるだろう。でもその疑問を誰かに対して口にしてもだって当たり前でしょ、とキョトンとした顔で、あるいは怒ったように言われたら、ですよねー、と引き下がるしかない。

たとえ食い下がったとしてもメンドくせー奴だなーとなるわけで、当たり前に真っ向から立ち向かえるのは天才か馬鹿か、まさに紙一重である。なので恥ずかしい、口にできない、でも気になる、葛藤、と呼ぶほどではないかもしれないがモヤモヤの吹き溜まりが出来上がる。

例えば恋愛だなんて当たり前の塊だ。

結婚は言うに及ばず、恋愛だって世界中からただ一人の相手を探し出してするものではない。たまたま適齢期に近くにいた適齢期の親しい相手とするものであり、その相手より適した相手、何をもって適したというのか微妙だが例えばもっと幸せになれる相手はたくさんいるだろう。

世界のどこかを探せばもっと良い相手が、等という壮大なレベルではなく、あと一言二言話をしてみたら気が合ったかもしれない知り合いだっていただろう。しかし僕らは少なくとも恋愛当初は、あるいは結婚式当日くらいは運命だと感じ、自分たちは特別な存在だと思う。

そんな気持ちは当たり前であり、その錯覚も当たり前だ。ある程度年を取れば誰だってわかる。でもそんなの当たり前の錯覚だよ、と簡単に認めてしまっては何だか虚しいし、相手が気分を害するだろう。なのでこの当たり前とどう折り合いをつけて毎日過ごすか、当たり前の難題である。

この本は基本恋愛中心だが兄弟の当たり前もある、大人の当たり前もある。そちらの方が、というか「女性が主人公の恋愛モノ」じゃない方が楽しめた。

それにしても著者紹介を読むと絶対僕が好きそうではない経歴だ。”女による女のためのR-18文学賞”受賞のガーリー作家だそうだ。しかしきちんとテーマがありそれを見付ければ大変面白い、ということを実感させてくれた良い本だ。

ここまで書いてなんだがそもそもテーマは当たり前じゃないかもしれない。

当たり前がテーマならC級じゃなくてB級じゃない? でもそれだとB級グルメみたいでオッサンくさいし、良い物=フルーツパフェだけど低級、みたいな感かも、等々、色々考えたあげく僕が中学生の頃なら恥を恐れて全文削除かも知れない。

しかし年を取れば恥も何もない、良い事なのか悪い事なのか、しかしこれもまた当たり前だ。

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