『舶来屋 幸田 真音』は「モノシリ博士のマンガ〇〇のひみつ」

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「晴耕雨読その他いろいろ」2015/12/25投稿記事の修正転載です

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舶来屋 幸田真音(2015/12/25)

茂登山長市郎という実在の人物の半生を基にした本。著者は幸田真音。ある日出合った老人の半生を若い二人が聞く話。老人の半生は波乱万丈で戦争体験、その後の闇市時代、華やかなビジネスでの成功、と飽きさせない。

途中までフィクションだと思っていたがやたら実名が登場するので驚いた。本当にこんなドラマチックな人生を送った人がいるとはビックリである。

この話だけで十分面白い。ファッション、特に高価なものに興味がない僕でも面白かったのだから、有名ブランドの名前がバンバン出てきて好きな人ならなお楽しいだろう。というか有名ブランドと日本人の関係とかなので好きな人こそ読むべき本だ。

戦争、闇屋の話は知識としては知っているがなじみがないので興味深い。やはりこのころの先人たちの努力の上に現代のわれわれの生活があるわけで、まったく頭が下がる思いだ。

中学、高校と2度も歴史を勉強した割に明治維新以後は全くいい加減な僕らにとって、経済の歴史も興味をそそられる話題だ。しかもそれまで読み進めてきて愛着のある登場人物たちが渦中にいるのだから気にならないはずがない。

僕は読んだことがないが本人が書いた一代記もあるらしい。えっ?じゃあこの本は何?となるが、
そこで若い二人を登場させたのだろう。一人は元気で、一人は悩み中。この二人が合いの手を入れながら話が進み、最後には成長があって大団円、一代記の方とはまた別物になる。

しかし合いの手が問題なのだ。せっかく話自体が面白いのにブツブツ切れる。あぁ、こんなことがあったのか大変だなぁ、と思っていると、話が現代に戻る。えぇっ!?そんなことってあるの?と
思っていると、話が現代に戻る。その繰り返しなので何だか嫌になってくる。

最初の老人との出会いのシーン、二人のうち元気な方があまりに無礼で根拠薄弱な文句を言い出す場面と、この辺りの話がノッてくると切れる、という2カ所が本書の放り投げたくなるポイントだ。それを過ぎればのめり込める。

無礼なシーンは我慢するしかないがノッてくると切れる点には対処方法がある。何かに似ているなぁ、と思っていたらアレにそっくりなのだ、「モノシリ博士のマンガ〇〇のひみつ」。

老人がモノシリ博士、若い二人が小学生の男の子と女の子。男の子の方はおとなし目で悩み事を抱えている。女の子の方は元気で物怖じしない。モノシリ博士が宇宙だったり人体だったり、説明していると小学生の二人が混ぜっ返す。

そう思うと何だか学習漫画の絵柄まで頭に浮かんできて説明シーンキタコレ!状態となり逆に面白くなってきてしまう。途中場面転換があるのだがそれすらも学習漫画みたいだ。

話に夢中になっていた女の子の方が時間に気が付く。「あれっ?もうこんな時間!? いっけなーい!私ママにお使い頼まれてたんだった。じゃあねー、博士。また今度遊びに来るねー!」とか、やけにあっさりと帰っていく、そんなシーンが目に浮かぶ。

それにしてもこのスタイルしかなかったのだろうか。おそらく作者は茂登山長市郎の半生に興味を持ち、人柄にほれ込んで本を書いたのだろう。

経済の本ならその時々の世界の状況を詳細に書く、ファッションの本ならその流れを書く、じゃあ小説なら?となるとやはりこうなるのか。学習漫画風になるのか。いや素人の僕には思いつかない、もっとすごい方法があるのだろう。っていうかそれをやってのけるのがプロなのだろう。

ともかく綺麗なものが好きな人は純粋に楽しめる。ひねくれた人ならプラスでニヤニヤしながら楽しめる。面白い本だ。

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