公募スクール講座「落選理由を探る」で謎が解けた気になった

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2021/2/19投稿記事他の修正転載です

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『若桜木虔の作家デビューの裏技、教えます!』はとんでもなく独自性が高い(2021/2/19)

珍しく本以外を取り上げます。「若桜木虔の作家デビューの裏技、教えます!」という公募ガイド内の読みものですよ。これがまた勉強になる上にとんでもなく面白い。まとめて出版してほしいくらい。(2025/7/20現在、公募ガイドのトップから辿れないみたい、そのうち記事自体がなくなる予感)。

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【最終回】若桜木虔先生による文学賞指南。「魅力的な主人公の作り方」 | 公募/コンテスト/コンペ情報なら「Koubo」
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この先生の添削に送ろうかと思っていたが今は休講中らしい。連載もお休みなので心配。ということで自習するしかない。コラムを片っ端から読んで新人賞に求められる項目、やっちゃダメな項目を書き出した。

それぞれの項目に関してはリンク先の本文に詳しく書いてある。これを僕の独断と偏見で以下のように分けた。

・メイン要素
 その人にしか書けないものか?
・サブ要素(加点ポイント)
 メイン要素を効果的に伝えられるか?
・サブ要素(減点ポイント)
 メイン要素を邪魔しないか?

メイン要素がまず一般認識と異なる。『面白い』じゃないの?違うらしいのだよ。

新人賞の目的が新しい才能の発掘であるためらしい。そのため過去作品を参考にして同じ方向で行くとしくじる。知らなきゃ絶対ハマる落とし穴だ。その人にしか書けない、ってのは設定、アイディアの独自性、という意味っぽい。普通の人が知らない舞台も効果的だとか。まったく目からウロコの話だ。

頭では理解した。でもこれって超ムズイよね。だって自分は可愛いからありきたりな話でも独創的!ってカン違いしそう。まあ、勉強あるのみ、ですな。

サブ要素(加点ポイント)は読み進めるうえでの推進力だ。どんなに素晴らしい独自性があっても読んでもらえなければ意味がない。キャラを立て、インパクトのある出来事を次々起こし、ともかく読み進んでもらうことが重要。

ここでメイン要素並みに大事なのがキャラクターの魅力。特に最近は重要度が増しているそうだ。……ああ、良いよね、個性的なキャラ。書いてみたいよ、ホント。魅力あふれるキャラを多数書ける、それだけで稀有な才能だ。

サブ要素(減点ポイント)は逆に読む人を萎えさせるポイント。メイン要素の邪魔をする既視感とか、混乱させるわかりにくさとか、色々あるのだけどまとめてここに分類できるのでは。

これがまた難しい。言われてみればそうだよね、ってのから知らない人は絶対知らないことまで様々。さらに恐ろしいことに近年は減点方式らしい。

気づかないうちに地雷を踏んでいて、なぜ自分が死んだかも理解できない、そんな悲劇も多そうだ。事実僕がこれまで応募した小説、さらには応募予定の小説にまで爆弾が潜んでいたことが判明。……どうしよう。

もちろん加点と減点は対応している。なんだけど減点ポイントがなければポイントゲット!ってこともなさそう。ものすごくわかりやすくても面白くなければ加点されない。

以上、勝手に分類して満足しました。項目だけでも十分有用だけど、やっぱり自分なりにまとめてみるといい感じに咀嚼できる。間違ってたら直せばいいし。

理解した気になったら当然使ってみたい。っていうか使ってみないと本当に理解できているのかどうかもわからない。

今後小説を書くときはもちろん、読むときにも、特に○○新人賞受賞作!が対象の場合これを念頭に置きます。普段は良いところばかりを探すようにしていますが、ちょっと批判的にもみる、ってことで。

それでは早速試してみます。「若桜木虔の作家デビューの裏技、教えます!」自体はどうだろうか?

メイン要素は明確だ。明らかにこの人にしか書けない。詳しい人はいるかもだけど、ここまで歯に衣着せぬ物言いで具体的に書けないのでは。一般人が知らない世界の話、ってのも見事に満たしている。

サブ要素(加点ポイント)も完璧。最初に出てくる表題で読む側の心をガッチリつかんでいるし、何よりキャラが立っている。……個人的には魅力的に思えるが、そこは意見がはっきり分かれるかも。

サブ要素(減点ポイント)は文頭の『で、』だろう。これってつまり『そして』だよね?小説と読みものの違いはあるけどこの点が気になりました。

いろいろと書いたけど、これらの項目のスゴイところは様々な文章に応用できそうなところ。エンターテイメントだけでなく、純文学、ブログ、仕事のレポートとかもっと言えば文章だけでなく、考え方そのものにも役立つのでは。

とても勉強になり、面白く、かつ考えさせられる読みものでした。今日も大満足。

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公募スクール講座「落選理由を探る」で謎が解けた気になった その1(2021/9/1)

第34回小説すばる新人賞はわりと自信があった。……嘘です。かなり、です。これまでの成果をすべて絞り出した。現時点でできる最高を出し切った。そう思って応募しました。で、8月17日第一次選考結果発表。いつもと同じく見事に討ち死に。

小説すばる新人賞 | 小説すばる - 集英社
小説すばる新人賞 のページです。集英社が刊行する月刊小説誌「小説すばる」の公式サイトでは、人気作家の連載、気鋭の新人の意欲作、力のこもったユニークな特集などを掲載。

僕は激しく落ち込んだ。今まで学んだことができていないのか。それとも学んでいないことがあるのか。何がなんだかわからなくなった。ということでついにお願いしました。公募スクールの「落選理由を探る」ですよ(2025/7/20現在、公募スクール自体がリンク切れです)。

僕の好きな公募ガイドのコラム、「若桜木虔の作家デビューの裏技、教えます!」の本人が講師。もともと僕は「初めての小説講座」、「コツがわかる小説講座」を受けたあと、この先生の講座を受ける計画だった。なんだけどお休み中だったので、コラムを読み漁り我慢してた。

うん。上の文章には見栄がある。実際のところ、厳しそうな先生なので二の足を踏んで敬遠してただけだ。一年間成果が出なかった時用の罰ゲームにしてた。だがしかし、事ここに至っては躊躇してなどいられない。思い切って送りましたよ。

送ったのは落ちたてほやほやの小説すばる落選作。四百字詰め原稿用紙343枚で計113,163文字ある。これがわずか二日後に返ってきた時の僕の驚きようを想像できるだろうか。

添削は冒頭部分で全体の約22%、26種類の指摘が重複込みで28カ所になされていた。添削文字数は約2,100文字だから一カ所平均75文字。価格は44,000円。単純に割ると指摘1種類で1690円、一文字あたり20円だ。

これを高いとみるか、安いとみるかは人それぞれだろう。正直僕は最初高いと思った。このファイルが妻に見付かり収支報告をしろと言われたらどうしよう、と思った。落選のショックで大変なことをしてしまった、もっと枚数の少ないのを選べば良かった、と後悔した。

しかし、今はつくづくお願いして良かったと思っている。添削結果を目にしたのは昨夜だが、それからずっと小説のことばかりを考えている。

だったら、あの部分をこうして、こっちをこうして、なんて気がつけば試行錯誤している。もはや、これって恋じゃね?レベルだ。これだけ夢中になれた時点ですでに十分な価値がある。

しかも考えてみたら僕の場合ほとんど人に読んでもらった経験がない。いちばん最初に書いた小説を妻に読んでもらい、最初の三行で「一人称が『俺』なのがイヤ』と言われただけだ。以降、講座の課題以外はすべて完全な自己満足だ。

なにしろプロに見てもらったのだ。たしかに44,000円は高価だが、十分な価値があったと思う。

でもって本当の価値を決めるのは今後の僕自身だろう。記念受験的に一回お願いして思い出話にしてしまうのか、これを機にビヨーンと跳ぼうと努力を重ねるのか。そこらへんで真価が変わってくる。

指摘の中には聞いたことがあるものもたくさんあった。っていうかほとんどそうだった。応募前にコラムを読み漁ったのになお気付かなかった、抜けてた、自分では避けたと思ったのに避けきれていなかったミスだ。具体的な個所を挙げられわかりやすいことこの上ない。

厳密に聞いたことのない指摘、ってのはなかったかも。コラムに書かれていることの派生というか応用というか、考えていけばそこに行きつく事、これも含まれるのか! みたいな。でも自分では中々そこまで思い至らないところを教えてもらった。

何よりありがたいのがこの22%だよね。実際の一次選考ではもうちょっと厳しいのかもしれないが、やっぱり最初読んでつまらなければそこで終わりらしい。

いや、知ってはいたよ。でも具体的にどこか、ってのを見せつけられて痛いほどわかった。ちなみに僕の場合、22%は起承転結の起の途中。走り始めてやっと調子出てきた、ここからスピード上げるよ、ってとこ。そこで、ハイしゅーりょー、だ。

一応対策は取っていた。核心的な事件を最初に持って行って、興味を引く作戦だった。しかしこれが裏目に出たっぽい。後になれば、ああ、あれはこういうことだったのか、とわかるようにしたのだが、そこまで読まないとわからない。

興味を引くどころか混乱のもととなるだけだった。……思えば僕が書いたのはこのタイプの話が多い。後になればわかる、ってやつ。

プロの作家ならそれでいい。実績があるからファンが期待してそこまで読んでくれる。しかし僕じゃダメだ。かろうじて僕の名前が出たのは違うタイプだった気がする。地に足がついた主人公に対してわかりやすい事件が冒頭で起こる。たぶんそっちに分類される。

長くなったので続きます。

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公募スクール講座「落選理由を探る」で謎が解けた気になった その2(2021/9/8)

第34回小説すばる新人賞に落選した僕はショックのあまり、公募スクールの「落選理由を探る」に添削をお願いした。価格は44,000円と高額だったがその価値は十分あった。さらに骨の髄までしゃぶりつくすため前回に引き続き色々と考察したい。

まずポイントは約20%ってところだ。知識として全部読まれないとは知っていたが、具体的に線を引かれそこに講評が書かれていると嫌でもデッドラインがわかる。ここまでに要件をクリアしないと次のステージに進めない。……サスケみたいだな。

要件とはつまり読む人の心をつかむこと。僕のばあい下読み選者が対象だけど、プロだって読者相手に同じ苦労をしているのだろう。途中まで読んで止めちゃう人ってけっこう多いんじゃね?かく言う僕も昔そうだったし。ともかく冒頭20%、あるいは10%、場合によっては原稿用紙数枚でこれをクリアしなければならない。

これはもう普通の起承転結ではキツい。種を撒いて、じっくり育てて、収穫して、食べる、ってしてると、芽が出るか出ないかの内にタイムアップになる。解決方法はふたつ思いつく。

ひとつ目の方法は起で転並みの事件を発生させること。サビから始まる音楽みたいな?

普通なら起と承で話を積み重ねてその結果を受けての転だ。じっくり状況説明をして大事件を発生させることができる。いっぽう起で起きる事件には事前説明ができない。誰が見てもわかる事件でないとダメだ。

たとえば、大事なものを壊された、が事件だとしよう。転で起きるなら大事なものが一般には価値のないものでも良い。思い出の品とか苦労の結晶だとか起と承のあいだに十分な説明ができる。だけど起で発生するばあい、明らかに価値がないとダメ。代わりを買えばよくね? となる。

これを可能にするのは巻き込まれ型だろう。主人公が自主的に何かを始めても起での事件発生は難しい。説明しているあいだに20%終わる。

ふたつ目の方法は魅力的な主人公。どこかで見たような話でもキャラクターが特異で面白ければたぶんもうちょっと読んでもらえる。

それにしたって転まで行くだろうか?よっぽどでない限りキャラクター性だけで50%越えは不可能な気がする。やっぱり早々の事件発生が鍵であり、説明を省くことのできるわかりやすい出来事が必要な予感。

そう考えればやっぱり巻き込まれ型だ。受動的な気もしないではないが、降りかかる火の粉を能動的にはらう主人公ってのが要件を満たしやすそうだ。

思えば僕が今までに読んだ新人賞受賞作もこのタイプが多い。自分から何かをする主体的人間よりは巻き込まれ型受け身人間のほうが優勢だった気がする。

巻き込まれた事件を解決し先に進もうとする主人公、あるいはなぜ巻き込まれたかを解明しようとする主人公、そんなストーリーにもつながりやすそう。

自分が書きたいのって、それなの?って気はする。するんだけどどうやら普通の起承転結は贅沢品っぽい。一部のプロ作家、固定ファンがついてる有名人じゃないと厳しいのでは。

小説と新人賞向け小説は異なるっぽい。勉強と受験勉強が似て非なる物なのと同じなんじゃね?ただしかぶってる部分も多そうだ。ここはひとつ出来るところまでやってみようかと思います。案外しょうにあってるかもだし。

ということで高額だけど価値のあるとてもためになる講座でした。どうもありがとうございました!……さて、どうやって書き直そうか。

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